こんにちは、兵庫漁協の博士安井の生物記の第2弾です。
クルマエビ!!
一昨年10月のある日、兵庫漁協の若い漁師が、『アサリ育成実験の浜』でエビを見つけ、すくってみた。ーー
「これ!クルマエビとちがうやろか?」とエビ(写真1)を事務所に持ち込んできました。----------ちょうど居合わせた組合長が、「そや、それクルマエビや」と・・・・・・ビックリ仰天!!
それもそのはず、近年、大阪湾では、クルマエビは、ほとんど獲れなくなり、漁師でさえ、その姿を見る機会がめったにないほど、レアなのです。
確認したのは、たった1尾だけですが、クルマエビが、兵庫運河に戻って来たわけです。
ーーーーーーー( 写真 1 ) 天然のクルマエビ
昭和45年6月12日の神戸新聞に、兵庫運河の記事が載っています。それによると、「運河の悪臭で従業員が辞める、頭痛や吐き気も、近隣の県、市に嘆願書、又苅藻島の工場主らが訴え~」という内容です。
昭和40~50年代の兵庫運河は汚れ放題で、神戸で一番汚い海と言われていました。あああああああああこの運河が、下水道の完備、公害対策、環境保全の取り組み等により、近年ずいぶん綺麗になり、いろんな生きものたちが、戻り始めているのです。
このため、兵庫漁業協同組合では、神戸市栽培センターの協力も得て、昨年からクルマエビの稚魚の放流事業も、始めています。
ーーーーーークルマエビの稚魚 体長50㎜
ーーーーーきれいなクルマエビの稚魚
兵庫漁業協同組合では、「獲るだけの漁業では将来はない。生物多様性のある里海の復活が必要」との思いから、兵庫運河を、「こうべの里海」 「こうべのゆりかごの海」に育てたいと考えています。
皆様、ご支援下さいますよう、お願い申しあげます。
兵庫漁協 博士安井 でした。